「面白いのかな?」 by Cat Predator
『ザ・プレデター』の期待度を採点してみた!
映画の公開まで残すところ16日となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は、大胆不敵にも『ザ・プレデター』がどのくらい面白い映画になりそうなのか期待度を計算してみました。
『ザ・プレデター』は2018/08/29現在、まだ未公開ですので、公開済みの予告編や、監督・俳優に対するインタビュー記事などを参考に、期待度を割り出しています。
映画の期待度は、「どの映画を評価基準に設定するか」「どのような評価軸で判断するか」によって、様々な結果になりそうですが、今回はあくまで個人的な好みに基づいて測定しています。
そのため映画に対する期待度も私個人の評価となりますので、予めご了承下さいませ。
あまり細かい点にこだわらず、さらりとお読み下さい。
なお以下では、生物としてのクリーチャーをプレデター(カッコなし)、シリーズ第1作の映画を『プレデター』(二重カギ括弧)として区別しています。
映画に対する客観的な評価を知りたい方は、別サイトの別の記事をお探し下さい。

評価基準と評価軸
さて、それでは『ザ・プレデター』を評価する基準と評価軸を設定していきたいと思います。
今回は私の独断と偏見に基づき、「評価基準となる映画」を、プレデターシリーズの原点であり、ファンからの評価も高いシリーズ第1作『プレデター』と設定します。
つまり、『プレデター』よりも面白そうだと予想できればプラス評価、面白くなさそうだと予想さればマイナス評価ということになります。
『プレデター』を基準にすると、『ザ・プレデター』の評価がどうしても低くなりがちですが、今回はあえて高めの基準を設定してみました。
次に、「どのような評価軸を設定するか」についてですが、これは「どのような映画を期待するのか」という個人の好みに大きく影響されます。
私は、アクション映画、ミステリー映画、謎解き要素の多いホラー映画、サスペンス映画、『エイリアン』など完成度の高いクリーチャー映画、人間の生死を取り扱う戦争映画、などを好みます。
また、常に先の展開を予測しながら映画を見ているため、予想通り展開する作品よりも予想を裏切られる作品を高く評価する傾向にあります。
逆に言うと、アクションだけでストーリー性の弱い映画、必然性や論理性が感じられないご都合主義的な映画、残虐なだけで前後の脈絡が不明な映画、明らかにストーリーに矛盾が生じている映画、完成度の低いクリーチャーが登場する映画、登場人物の描き方が浅い映画、映画全体で何が言いたいのか不明な映画、主人公に感情移入できない映画、などが嫌いです。
そのため、今回は、①アクション度、②ミステリー度(謎解き要素がどれくらい含まれているのか)、③クリーチャーの完成度、④ストーリーの完成度、⑤キャラクターの完成度(どのくらい真実味のあるキャラクターが描かれているのか)、⑥テーマ性、⑦結末の意外性、⑧映画としての総合的な完成度、の8つの評価軸を設定しました。
それぞれの評価軸で『ザ・プレデター』を『プレデター』と比較し、『プレデター』と同じレベルだろうと予想した場合は期待度100点、それ以下だと予想した場合は100点から減点していき、それ以上であると予想した場合は100点から加点していきます。
以下での期待度は、あくまで映画を見る前の期待度であり、個人的な嗜好が強く反映した直感的な判断であることをご了承下さい。
そのため映画の好みが似ている方の参考にはなるかもしれませんが、そうでない方の参考にはならない可能性が高いと思われます。
あくまでも独断と偏見、それに予測に基づいた個人的な評価です。
①アクション度(見る人の度肝を抜くアクションが展開されるか)
映画『プレデター』ではダッチ率いる特殊部隊員が、かなりの重火器を持ち歩いていました。
初めてプレデターを発見し全員で一斉射撃を加えるシーンなど、森の地形が変わってしまうほどの破壊力がありました。
本作『ザ・プレデター』でクインたちが持つ銃は、ピストル、サブマシンガン、アサルトライフルといったどちらかというと小型の物が多く、火力では『プレデター』にかなわないようです。
ただ、本作にはフジティブ・プレデター、アサシン・プレデター、プレデタードッグと、プレデターが3種類以上登場し、またどのプレデターも素早い動きが得意のようなので、それらのプレデターに関するアクション面では『プレデター』よりも期待できそうです。
特にフジティブ・プレデターとアサシン・プレデターの対決は、いまだかってない壮絶なシーンになりそうで、大いに期待しています。
また、宇宙船の不時着や発進、ステルス戦闘機F22との対決など、取り扱われるシーンの規模が拡大していることから、その点での面白さも倍増しているのではないかと思われます。
総合的に判断して『プレデター』と同等の100点と評価しました。
②ミステリー度(謎解き要素がどれくらい含まれているのか)
『プレデター』では、映画序盤から中盤にかけて、プレデターの正体が明らかにされないため、一体どんな生物がダッチ達を襲っているのか分からないという、非常に強いミステリー要素が存在していました。
光学迷彩を駆使し、ハイテク武器を使用する宇宙人など前代未聞で、とても驚かされたことを覚えています。
そのためついつい映画に引き込まれてしまい、またストーリーやプレデターの詳細について十分に知ってから見返しても、登場人物達の立場に立つことで非常に興味深く映画を視聴することができました。
『ザ・プレデター』は、プレデターの存在や生態、その他のディティールがかなり明らかになっている状態からのスタートであるため、なかなかプレデターに対する好奇心だけで、視聴者の興味を引き続けることは難しいと思われます。
そのため、『ザ・プレデター』はアサシン・プレデターという未知の巨大ハイブリッド・プレデターを用意することで、視聴者の好奇心を刺激する作戦に出ています。
『エイリアン』や『ジョーズ』が成功した大きな要因として、「映画終盤までクリーチャーの姿を見せず、視聴者の好奇心を刺激し続けた」という点が指摘されていますので、本作でもアサシン・プレデターを映しすぎることなく、視聴者の興味や関心、好奇心を刺激し続けて欲しいと考えています。
ただ「あまりに動きが速すぎて、何が何だかよく分からない」「画面が暗すぎて、よく見えない」といった映像では視聴者の不満が募るばかりなので、緩急をつけた編集を期待しています。
映画公開前にアサシン・プレデターの詳細なフィギュアが公表されたりしないか心配です…(>_<)
また、本作にはスパイ映画的な要素も含まれているそうです。
詳しいことは不明ですが、だれがスパイなのか最後まで明らかにならず、視聴者の興味を引き続けてくれることを願います。
総合的に評価して、『プレデター』よりも低い90点としました。
③クリーチャーの完成度(実在を確信させるほどのリアリティがあるか)
『ザ・プレデター』にはプレデターとして、フジティブ・プレデター、アサシン・プレデター、プレデタードッグの3種類が登場することが分かっています(もちろん、それ以上の可能性もあり)。
やや人間的で理解可能な存在に思えるフジティブ・プレデターに対して、アサシン・プレデターはより原始的かつ野蛮で、その行動は理解不能のように思えます。
『プレデター』にはプレデターが1体だけしか登場しなかったため、その描かれ方も密度が濃かったのですが、『ザ・プレデター』には複数のプレデターが登場するため、それぞれの描かれ方が中途半端で浅いものになってしまうのではないかと心配しています。
個人的には単なる恐ろしいクリーチャーとしてだけではなく、ユーモアや理念・理想を持つ存在として描かれていることを期待しています。
新種のプレデターとしての完成度と描かれ方の密度という観点から、直感的に『プレデター』よりも低い90点にしました。
④ストーリーの完成度(矛盾のないリアリティのある展開か)
『プレデター』は、「人質救出に向かった特殊部隊員たちが未知の生物に遭遇し、死力を尽くしてその生物を倒す」というシンプルな筋書きでした。
一方『ザ・プレデター』には、「クインの過去の任務、ローリーとの親子関係、アサシン・プレデターやプレデタードッグの登場、政府の陰謀(?)、種族としてのプレデターが地球征服をたくらんでいること(?)」など、かなり多くの要素が詰め込まれているようです。
筋書きはシンプルな方が分かりやすく面白いことが多いことを考えると、詰め込みすぎはマイナス要因なのかなと感じました。
また、ローリーがコンピューターガントレットを触っているときに、たまたま装置を起動させプレデターを地球に呼び出してしまうというストーリー展開も、必然性が感じられずややご都合主義的なのかなと感じます。
そのため、総合的に判断して『プレデター』よりも低い90点にしました。
シェーン・ブラック監督が、全ての要素を有機的かつシンプルにつなぎ合わせ、分かりやすく編集してくれていることを願っています。
⑤キャラクターの完成度(どのくらい真実味のあるキャラクターが描かれているのか)
事前に発表された報道によると、『ザ・プレデター』は、自閉症の息子ローリーとの関係が上手く築けないクインが、父親として再生していく物語であるとのことです。
参照:https://eiga.com/news/20180823/11/
また、ルーニーズのメンバーがPTSDを抱えた元兵士たちである点から、そのトラウマの克服や、人生の再出発が描かれているのではないかと想定されます。
シェーン・ブラック監督は、過去のプレデターシリーズには興味深い登場人物が欠如しているたことを指摘されていますので、『ザ・プレデター』では表面的な描写に終わらない深みのある人物設定ができていることを期待しています。
ちなみにシェーン・ブラック監督は、映画の撮影中、キャラクターの設定に関して、演じる俳優に大きな裁量を与えていたことが明らかになっています。
事前に細かく設定した役柄を演じさせるのではなく、俳優達にかなり大きな創造の余地を残し、撮影しながらキャラクターを共創していったようです。
共創の魔法がいい方向に働き、オリジナリティ溢れるキャラクターが多数存在することを祈ります。
期待を込めて、『プレデター』よりも高い105点と評価としました。
⑥テーマ性(映画がどのような問題意識を投げかけているか)
これまでのプレデターシリーズは「プレデターに遭遇した人類の戦い」を描くだけで、映画として特別なテーマを持っていなかったように思われます。
それが本作では、親子の再生(クインとローリー)や、リタイヤした人生への再生(PTSDに苦しむ元兵士たち)が描かれているようです。
もちろん公表前の映画であるため詳細は分かりませんが、今までのプレデターシリーズにはなかった新しい試みのように思われます。
期待を込めて『プレデター』よりも高い105点と評価としました。
⑦結末の意外性
シェーン・ブラック監督によると、『ザ・プレデター』はスリラー的な色彩が強い映画になるそうです。
今までのプレデターシリーズはSFホラーもしくはSFアクションホラーという位置づけでしたので、スリラーとしてのプレデター作品がどのようなものになるのか興味津々です。
スリラー映画の醍醐味は、見終わると世界の見方が少しだけ変わり、じわじわと後を引く恐怖感を味わえることでしょう。
その肝はエンディングにあり、未解決の問題が残されたまま映画が終了する点にあると言えるでしょうか。
シェーン・ブラック監督が本作をどのように編集されているのかは分かりませんが、今までのプレデターシリーズにはないエンディングを期待しています。
また、本作に登場するアサシン・プレデターは巨大なだけでなく、とても動きが機敏であるため、正直言ってどうすれば倒せるのか結末の予想が全くつきません。
以上の点を総合的に考慮して、『プレデター』と同等の100点としました。
⑧映画としての総合的な完成度
個人的に映画を楽しめるかどうかは、どのようなテーマやジャンルであっても、その作品がもつリアリティに大きく影響されていると感じます。
たとえば、ファンタジーであれば全くリアリティがないということではなく、その世界がどれだけ緻密に作られたものであるのか、ということです。
そのため、架空の世界や架空の生物を映画化しリアリティを出そうとすると、どうしても予算の多い作品の方が有利になりがちで、映像から資金不足のための妥協の跡が見えたり、作り込みの浅さが感じ取れたりすると、急にリアリティがなくなってしまい、作り物感が画面から漂いだしてしまいます。
個人的な感想ですが、『ザ・プレデター』に関する映像を見ていて気になったのは、宇宙船内部の造形や小型宇宙船外部の造形がややシンプル過ぎるように感じられたことです。
あまりにシンプル過ぎる造形は、「資金不足のために手間と時間をかけられなかったのかな?」と視聴者にリアリティの欠如を感じさせてしまいます。
(個人的にはシンプル過ぎる映像よりも、理解不能なごちゃごちゃした映像の方にリアリティを感じます)
CGやVFXのレベルはかなり高そうなので、のちの編集でよりリアリティを出す加工がなされていることを期待します。
どうしても宇宙船内部の造形が気になってしまったので、『プレデター』よりも低い95点という評価となりました。
まとめ:総合評価
以上、『プレデター』を基準にして、アクション度、ミステリー度、クリーチャーの完成度、ストーリーの完成度、キャラクターの完成度、テーマ性、結末の意外性、映画としての総合的な完成度、の期待度を分析してみました。
それぞれの期待度をまとめます。
- ①アクション度:100点
- ②ミステリー度:90点
- ③クリーチャーの完成度:90点
- ④ストーリーの完成度:90点
- ⑤キャラクターの完成度:105点
- ⑥テーマ性:105点
- ⑦結末の意外性:100点
- ⑧映画としての総合的な完成度:95点
- 合計:775点(800点満点中)
- 平均:96.875点
総合点が800点満点中の775点、平均点が100点満点中の96.875点となりました。
これは総合的に見て、『ザ・プレデター』が『プレデター』に劣る映画になるのでは?という予測であり、評価となりますが、十分に想定の範囲内です。
なぜかと言いますと、事前にあまり多くを期待しすぎると、映画を見た際にガッカリしてしまうことが多いので、「期待しすぎないように、あえて厳しめに採点した」からです。
個人的にはプレデターシリーズの中では『プレデター』が最も好きな作品で、今から31年前の作品(1987年公開)ではありますが、今見てもワクワクしてきます。
『ザ・プレデター』が『プレデター』と並ぶか、それ以上の作品であることを願っていますが、事前に期待しすぎないことがとても重要です!
映画館で映画を十分に楽しむためには、「どうせB級のモンスター映画なんだろ…」くらいの軽い気持ちで鑑賞することをおすすめ致します。
シェーン・ブラック監督がその予想を見事に打ち砕いてくれるでしょうから…
皆様はどのようにお考えでしょうか?
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