「酒は… それほど飲まないんだ…」by ビリー・マクブライド
『弁護士ビリー・マクブライド』シーズン1のあらすじと感想をまとめてみました!:レビュー記事
アマゾンオリジナルドラマ『弁護士ビリー・マクブライド』シーズン1を観ました。
ネタバレありで、あらすじと感想をまとめています。
主人公ビリー・マクブライドを演じるのはビリー・ボブ・ソーントン。
アンジェリーナ・ジョリーと2000年から3年間結婚しており、6回の結婚歴を誇ります。
全編カリフォルニアで撮影されており、ストリートビューでドラマの撮影場所を探索することも可能です。
作品紹介
- 原題:”GOLIATH”
- 提供:Amazonスタジオ
- 公開:2016年
※原題の”GOLIATH”(ゴライアス、ゴリアテ)は、旧約聖書に登場する身長約2.9メートルの巨人兵士のことで、羊飼いの少年ダビデが投石器から放った石を額に受けて昏倒し、首を刎ねられ絶命したことから、弱小な者が強大な者を打ち負かす喩えとしてよく使われています。
本作ではビリーが立ち向かう巨大法律事務所と巨大軍事企業のことを指すと同時に、物語の結末も暗示していると思われます。
簡単なあらすじ
弁護士ビリー・マクブライドは世界で3本の指にはいる巨大法律事務所クーパーマン・マクブライドを創業したエリート弁護士だったが、ある事件をきっかけに事務所を辞め、バーに入り浸りながら、無料法律相談をしながら暮らしていた。
ひょんなことから巨大軍事企業ボーンズ・テックを相手にした訴訟に巻き込まれることになり、ビリーは巨大法律事務所と巨大軍事企業を相手にして、ゴリアテと戦うダビデのように圧倒的に不利な戦いに挑むことになる。
キャスト(登場人物)
- 主人公:ビリー・マクブライド:ビリー・ボブ・ソーントン
- ビリーの元妻で弁護士:ミシェル・マクブライド:マリア・ベロ
- ビリーの娘:デニス・マクブライド:ダイアナ・ホッパー
- ビリーとともに訴訟を起こす弁護士:パティ・ソリス=パパジアン:ニナ・アリアンダ
- ビリーの事務を手伝うパラリーガル:ブリタニー・ゴールド:タニア・レイモンド
- 事件の依頼主:レイチェル・ケネディ:エヴァー・キャライン
- ビリーと巨大法律事務所クーパーマン・マクブライドを築いた弁護士:ドナルド・クーパーマン:ウィリアム・ハート
- ビリーと法廷で対決する相手側弁護士:キャリー・セネイト:モリー・パーカー
- 巨大法律事務所の若手弁護士:ルーシー・キトリッジ:オリヴィア・サールビー
感想(ネタバレあり)
※以下の感想にはネタバレを含みます。まだ視聴がお済みでない方はご注意下さい。
見始めてすぐの感想
作品説明に「落ちぶれた弁護士が、ある事件をきっかけにして巨大法律事務所と巨大軍事企業に戦いを挑むドラマ」だと書いてあり、設定や原題(GOLIATH)からストーリーや結末が容易に想像できてしまう点、また主人公の設定等からスローテンポの作品になりそうだと感じられた点などから、おすすめドラマでよく紹介されていたものの、なかなか観る気が起きませんでした。
そのため第1話だけ試してみて、面白くなかったら視聴をやめようと考えていました。
始まりはややスローペースに感じられるものの、次第にビリーを妨害しようとして陰湿な手があれこれと使われ始め、ついついビリーに感情移入してしまいました。
特に、ビリーの愛車赤いマスタングのボンネットの上に、魚の内臓をぶちまけられていたところからビリーに同情してしまい、また依頼主のレイチェルがひき殺されてしまったシーンから本格的にドラマにはまってしまいました。
新米弁護士であるルーシー・キトリッジ(オリヴィア・サールビー)に対するクーパーマンの執着の対しても、初めは母親の違う実の娘なのではないかと思いながら視聴を続けていました(のちに違う理由であることが判明します)。
作品にはまった後
巨大法律事務所の創業者でトップに君臨するドナルド・クーパーマンとビリーとの確執が、今回の裁判に大きな影響を及ぼすことになり、和解での解決を妨げ、陪審員による裁決へとつながっていきます。
ドラマを最後まで見ても、確執の原因がそれほど詳しく語られていないため、クーパーマンのビリーに対する異常とも言える憎しみが深く理解できなかった点は残念です。
次々と裁判の妨害をしかけてくる得体の知れない相手、相手に有利な訴訟指揮を執っているようにも思える裁判官と戦い続けるビリーの活躍は、当初の想像以上に緊張感があり、とても楽しめました。
ドラマ終盤で裁判の結果が明らかになるまでは、「この訴訟、負けたかもしれないな」「勝てる積極的な理由が特になかったな…」と感じていたため、巨額の賠償金を勝ち取る結果には、いまいち釈然としないものを感じました。
これに関してはアメリカと日本では訴訟制度が違う点に原因があるのかもしれません。
ただ、訴訟に勝ち、和解で話をつけ、巨大企業の不正を暴き、ビリーとクーパーマンとの戦いにも一段落がつき、物語はハッピーエンドを迎えてよかったと感じます。
和解で決まった賠償額が5000万ドル(約50億円)というとてつもない額で、ビリーやパティ、ラーソン一家は、金銭的に報われることになります。
それにしてもおそろしい金額で、一度の裁判で人生が変わってしまうことがよく分かります。
スリルやサスペンスに満ちたよくできたリーガルサスペンスだと感じました。
<それぞれの結果>(完全ネタバレ)
※以下の内容は完全ネタバレです。
- ドナルド・クーパーマン→脳梗塞で体が動かなくなり入院療養中も、事務所の組合から代表の座を解任される可能性大
- 主任弁護士キャリー・セネイト→訴訟に負けたことでクビ
- 若手弁護士ルーシー・キトリッジ→吃音が出たことで主任弁護士から外され、その後クビに
- 巨大法律事務所クーパーマン・マクブライド→今回の訴訟で明らかになった企業の不正にかかわった疑いで強制捜査をうける
- 巨大軍事企業ボーンズ・テック→CEOウェンデル・コーリーが逮捕される
- ビリー、パティ、ラーソン一家→裁判上での賠償金1億6200万ドル→和解により5000万ドル
- ブリタニー→ビリーを裏切り原告に不利な証言をしたためビリーに絶交される
- 自殺したとされるボーンズ・テックに勤務していたライアン・ラーソン→違法燃料(製造も所持も禁じられている)の海中への不法投棄中に事故死
受賞歴
主演のソーントンは本作で2017年ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門男優賞(ドラマ部門)を受賞しています。
おすすめですか?
おすすめです。
アマゾンオリジナルビデオのため、それほど予算をかけずに製作されているような気がしますが、毛嫌いせずに1話だけでも試してみてはいかがでしょうか?
その価値は十分にあると感じました。
独断と偏見で本作をおすすめしたい方を列挙してみます。
- リーガルサスペンスが好きな方(法廷でのやりとりが、そこそこあります)
- サスペンスドラマが好きな方
- アマゾンプライムビデオで無料で観られる面白いドラマをお探しの方
- 人生絶望→再生へのドラマが好きな方
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