「ああ… また最初からやりなおしかよ… (T_T)」
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をレビューするよ!テンポのよいタイムループもので、アクションも映像もすごい!
この度、Amazon プライム ビデオで映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を視聴しましたので、その簡単なあらすじ紹介とレビューをお送り致します。

予告編はこちらから
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』IMAX予告編
映画の簡単な紹介
この映画の原作は桜坂洋氏の日本のライトノベル『オール・ユー・ニード・イズ・キル』です。
ライトノベルの映画化なんてすごいですね。
- 原題:”All You Need is Kill”→ 映画の発表の前に”Edge of Tomorrow“に変更→DVD化に際して再度変更”Live Die Repeat“
- 種類:SFアクション
- 公開:2014年
- 製作国:アメリカ合衆国
- 脚本:ダンテ・W・ハーパー
- 監督:ダグ・リーマン
主なキャスト
- 主人公の少佐:ウィリアム・ケイジ:トム・クルーズ:日本語吹替 – 森川智之
- ケイジを鍛える軍曹:リタ・ヴラタスキ:エミリー・ブラント:日本語吹替 – 東條加那子
- タイムループの謎を解くカーター博士:ノア・テイラー:日本語吹替 – 隈本吉成
- ケイジを案内するファレウ曹長:ビル・パクストン:日本語吹替 – 大塚芳忠
- 地球外生命体との戦闘を指揮するブリガム将軍:ブレンダン・グリーソン:日本語吹替 – 勝部演之
- クローン:触手だらけの地球外生命体。アルファに操られている。無限に増殖中。
- アルファ:体の青い地球外生命体。クローンよりも上位に位置する。
- オメガ:クローンやアルファを操る大ボス
簡単なあらすじ
主人公のウィリアム・ケイジ少佐はメディア担当報道官でしたが、いきなり地球外生命体との戦争の最前線に送り込まれることになってしまいます。それまで戦闘経験の全くないケイジは、戦場であっという間に殺されてしまうのですが、敵の返り血を浴びたことでタイムループ能力を手に入れ、「目覚める→戦場に出撃する→戦死する」を永久に繰り返すことになってしまいます。
このループを終わらせるためにはどうすればよいのでしょうか?
果たして人類は地球外生命体との戦いに勝つことはできるのでしょうか?
こんな方におすすめです(^o^)
独断と偏見でこの映画を次の方におすすめ致します。
- トム・クルーズが好きな方(『ミッション・インポッシブル』シリーズのイーサン・ハント役、『トップガン』のマーヴェリック役)
- エミリー・ブラントが好きな方(『プラダを来た悪魔』のエミリー・チャールトン役)
- アクション映画が好きな方(アクション大好き!)
- 戦争映画が好きな方(ドンパチ大好き!)
- SF映画の好きな方(SF大好きですが、何か?)
- タイムループ物が好きな方(『シャッフル』『バタフライ・エフェクト』など名作!)
- 甘すぎない恋愛映画が好きな方(べたべたはちょっと… ツンデレならOK!)
- 原作の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』が好きな方(映画も見なくっちゃ!)
こんな方にはおすすめしません…(>_<)
おすすめできない方を列挙してみました。
- SF映画の嫌いな方(非現実的な設定についていけない… SF嫌い!)
- タイムループ物が嫌いな方(なんでタイムループするの? タイムループなんてありえない!)
- 戦争映画が嫌いな方(生理的にだめ…)
- トム・クルーズやエミリー・ブラントが嫌いな方(だって嫌いなんだもん…)
- ストーリー展開を理解するために頭を全く使いたくない方(タイムループ? 意味わかんない)
- 原作と設定や結末の異なる映画を受け入れることのできない方(原作最高、映画最低!)
感想
あくまでも個人的な感想になりますが、とても楽しめました。
もともとタイムループものは嫌いではないのですが(『シャッフル』『バタフライ・エフェクト』など)、この映画では主人公ケイジ少佐の成長を楽しみながら視聴できます。
一般的にタイムループものでは、「謎を解く」「原因を変え、未来を変える」といった要素が大きかったと思います。
本作でもこの二つの要素は健在ですが、それに加えて「主人公が成長していく姿を描く」という点が素晴らしかったです。
何度殺されてもよみがえるというのは、テレビーゲームのような設定のため、見ている方が飽きてしまいそうな気もするのですが、本作では主人公が、よりたくましく、より精悍になり、任務に正面から向き合う責任感の強い人間へと進化していく姿がテンポ良く描かれており、とても心をうたれました。
主人公が少しずつ新しいステージへと進んでいき、最終的には異星人を倒し、タイムループにも決着をつけるというストーリーは、ある種の冒険物のようで、とても良かったです。
日常生活においても、「これでうまくいかなかったのだから、次はこうしよう」と考え、試行錯誤を続けてながら生きていくことの重要性を改めて学びました。
なお、原作と映画では多少の設定とエンディングが異なっているようです。
本作を見て興味をお持ちの方は、ぜひ原作の小説もお読み下さい。
本作が分かりにくいという方のために…
本作はSFアクションであり、タイムループものです。
そのため「意味がよく分からない」という声もあるようです。
参考になるサイトを記載しておきます。
もちろん映画を見終わった後での確認をおすすめします。
先に読むとネタバレしてしまいます…
Wikipedia:オール・ユー・ニード・イズ・キル(映画)
Wikipedia:All You Need Is Kill(小説)
【解説】「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のここが分からない!【復習】
エンディング(ネタバレあり)と、個人的な感情の変化…
以下の文章では映画のストーリーに触れており、ネタバレありとなっております。
映画をご視聴の上でお読み頂きますよう、お願い致します。
本作のエンディングについて…
最後にケイジたちは異星人を倒し、タイムループもストップすることになります。
ラストは、それまでに何百回?となく死を繰り返し、その記憶を持つケイジが、そのループ能力を失った後に、新しい現実の中でリタと初対面を果たすシーンで終わります。
ケイジのことを全く知らないリタは、「何?」「何の用?」とあくまで冷たい反応ですが、リタの強さ、あたたかさ、すでに何度も感じた心の絆を思い出したケイジが、そのツンデレ?な態度に少しだけ涙ぐみながら、ニッコリと微笑むところで映画が終わります。
タイムループの能力を失い、死ねば二度と生き返ることのできなくなったケイジは、今度どのように生きていくのでしょうか?
その生き方には、それまでのタイムループの経験がどのように影響するのでしょうか?
また、ケイジはリタの知らない様々なタイムループの記憶を持った状態で、リタとの関係をどのように築いていくのでしょうか?
爽快で明るい気分にさせてくれつつも、少しだけ甘酸っぱい感傷を残し、今後のさまざまなことに思いをはせる余地を残している素晴らしいエンディングだと思いました。
このエンディングに対する批判…
このエンディングに関しては、
「なぜケイジはヘリコプターの中で目をさますのか? なぜ今まで通り新兵訓練施設で目をさまさないのか?」
「ラストでは、なぜ敵が壊滅的なダメージを受けた状態から再スタートできるのか? ケイジの死体が見つかって終わりというエンディングの方がふさわしいのではないか?」
「なぜケイジは過去の記憶を持ったまま(ラストの笑顔からそのように思えます)、再生しているのか?」
などの、「ハリウッド的ご都合主義が過ぎるのでは…」といった批判があるようです。
とくに原作ファンから「無理矢理ハッピーエンドにしたため、ストーリーが破綻している」といった批判を受けるのも、当然なのかなという気もします。
個々の疑問に一つずつ答えを出していくことはもちろん大切です(そのようなサイトもあります)。
疑問が残ったまますっきりしない方は、ぜひ情報を検索して納得出来るまで考えて欲しいです。
ただ、この素晴らしいエンディングを、リピート可能な一つの現実として受け入れ(もちろん、これ以外のエンディングでもリピート可能ですよね!)、感謝し、楽しむことも、大切なのではないかと感じました。
なんといっても、私たちはアルファの血を浴びなくても、思考の上では何回でもタイムループできるのですから。
自分の納得のいかないエンディングを排除するのではなく、「それもありかもね」と軽く受け流し、「でもこうなった方が面白いよ!」と別エンディングの想像を楽しむことの方が、この「タイムループもの」の受け止め方として、よりふさわしいのかなと感じました。
エンディングに関して思ったこと…
人間は一度死ねば二度とよみがえることはできませんが、試行錯誤を繰り返しながら、よりよく生きていこうと「努力すること」は、誰にでもできます。
ゲームのように「やられたら、うまくいくまで再チャレンジするだけ」と開き直って取り組めば、「もう失敗したくない…」「もう人生終わりだ…」「死にたい…」「人生リセットしたい…」などとシリアスになりすぎずに、多少の失敗にも心が折れることなく、前進することができるのではないでしょうか?
そしてそのようなシリアスになりすぎない態度の方が、結果的にうまくいきそうな気もします。
理由は、うまくいくまで心が折れずに、チャレンジし続けることができるからです。
よく言われることですが、「人は眠りに落ち、目をさますことで、擬似的な死と誕生を繰り返している」と考えることもできます。
もちろん、いつかは終わりが来るのですが、そうならばこの人生でできる限りの試行錯誤を楽しみながら行いものですね。
おすすめですか?
おすすめです!
題名『オール・ユー・ニード・イズ・キル』から、「殺風景で、希望のない、暗い映画」なのかと想像し、当初は視聴をためらっていたのですが、思い切って見てみてほんとに良かったです。
想像よりも暗くなく、「人生と死」「失敗と成功」「挫折と復活」に関する希望に満ちた素晴らしい作品だと感じました。
テンポも良く、タイムループ物にありがちな冗長な部分がありません。
所々にはさまれるややブラックでユーモラスなシーンも、作品がシリアスになり過ぎることを防止していてとてもよかったです。
ご視聴を強くおすすめします。
補足1:『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をタダで見る方法
2018/06/28現在ではAmazon プライム会員の方は、Amazon プライム ビデオで追加料金なしで視聴できます。
この機会にぜひご視聴下さい。
補足2:『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の続編制作?
うれしいことに『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は続編の制作も決まっています。
ダグ・リーマンが再び監督をつとめ、トム・クルーズとエミリー・ブラントのケイジとリタのコンビも復活するそうです。
次回作は本作の前日譚とのことで、タイトルは『Live Die Repeat and Repeat』。
リーマン監督は、「誰もつくったことがない続編にするアイデアがいくつかあって、今回の脚本にはそのアイデアが見事にはまった。この映画によって、続編のつくり方に革命が起きると思う」と熱弁しています。
本作の前日譚ということになると、リタがまだタイムループ能力を持っていて、戦場で華々しく活躍していた頃の話でしょうか?
ただそうなると、メディア担当で戦場に出た経験のないケイジとのからみが、全くなくなってしまいそうです。
この部分の矛盾をどのように解決するのかが大きな見所になりそうです!
あえて次回作の前日譚ストーリーを予測すると…
<『Live Die Repeat and Repeat』のストーリー予測>
<構成>
物語の最初から最後まで、ケイジとリタは顔を合わせず、リタがタイムループする度にケイジの現実も変化していき、リタがタイムループの能力を失ったシーンで幕を閉じる。
ケイジとリタが直接からみ合うことのない同時進行するパラレルワールド、ケイジとリタの存在がそれぞれの生活に影響を与えるバタフライ・エフェクト、リタが死ぬとループが起こるタイムループで構成された作品。
画面が左右で二分割され、同時並行的に2人の人生が映し出され、それぞれに影響を及ぼしあっていることが分かりやすく提示される。<明らかになる秘密>
なぜケイジは突然、最前線でのレポートを命じられたのか?
リタはどうやってアルファとオメガの秘密を知ることになったのか?
カーター博士はどうやって装置を開発したのか?
そもそもなぜ地球外生命体は地球にやってきたのか?
本作のラストでケイジがヘリコプターの中で目覚めることになったのはなぜか?<ストーリー>
物語は地球外生命体が地球に襲来し、人類との戦闘が始まるところから幕を開ける。戦場でアルファの血を浴びたリタ軍曹はタイムループ能力を身につけ、戦場でめざましい戦功をあげていく。
一方、メディア担当官のケイジ少佐はリタのタイムループの度に、同じ戦場での出来事を、エスカレートさせながら報道。
ループの度にケイジの現実にも小さな影響が生まれ、ケイジの外見はより派手に、報道もよりセンセーショナルなものになっていく。
もともとやや軽薄で臆病なケイジだったが、戦場で勇敢な活躍を見せるリタに淡い恋心を抱くようになり、報道はさらにエスカレートしていく。
その状況を苦々しい思いで見ていたのが、ブリガム将軍。
ケイジは、リタの行動のバタフライ・エフェクトで、ブリガム将軍の娘とつきあっていた。
が、あるときテレビカメラの前で痴話喧嘩が勃発。
世界中に将軍とその娘の恥をさらしてしまう。
ブリガム将軍はケイジを最前線の戦場に送ることを決意。
ケイジに招集をかける。
一方のリタはケイジによって引き起こされたあることが原因で、タイムループの能力を失い、人類の行く先に強い不安を抱くのだった…
<参考>
トム・クルーズ主演「オール・ユー・ニード・イズ・キル」続編の脚本家が決定:2016年4月17日
「オール・ユー・ニード・イズ・キル2」は続編だけど前日譚:2016年11月4日
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」続編準備は順調、問題はスケジュール:2017年5月11日
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